• Graphic design
  • 作品集

作家としての今までの確認でもあり、
そこで一つの区切りが立ち現れる
いい機会だと思いました。

ctlxy

Photo:Aasako Yoshikawa Editor:Yuko Sato

作品のテーマやトライしたかったこと

普段3DCGをモデリングしてグラフィックを作っているのですが、そのオブジェクトに貼り付けるテクスチャなども作っていて、これもいつか載せないと勿体無いなと思っていたので、それらを背景としてレイアウトしたところです。
また、グラフィックだけでなく文章も載せてメディアとして別方向に奥行きを持たせたいと思い、以前別の媒体で書いたテキストも掲載しました。
当時作っていたものは結構即興で作っていて、これが何かと言われると答えに窮するようなもので、なんとなく「妖精です」と言っていたのですが、zine製作時にたまたま読んでいた本に「経済調整政策」という単語が出てきて、「これは様々な妖精のバリエーションを調整して作っているのだな」というコンセプトが見えてこの「妖精調整政策」というタイトルが出てきたところも面白かったです。

完成品を手に取った感想と本書の見どころ

印刷物を作るのは難しいですね
普段画面の中でしか制作していないので、実際印刷した時のバランスなどを想定するのが自分には足りないところだなと思いました。
逆に画面の中にあるものが印刷物としてこのように現れるというのは感無量でした。普段作っていたものが物理的に量として触れられるというところは、作家としての今までの確認でもあり、そこで一つの区切りが立ち現れるいい機会だと思いました。

「こんなオプションがあったらうれしい!」

・A3サイズの横長規格
・紙の一部が透けている(抜き加工とトレーシングペーパーの合わせ技)
・ボール紙やプラスチックなどの厚みと硬さのあるものへの印刷
・付録などのおまけも選べる(ステッカー・しおり・鉛筆・小冊子など)
・SNSや店頭での宣伝用の写真を撮ってくれる。
・テキストや見出しも考えてくれるサービス..など

あなたにとってZINEとはどんな表現媒体ですか。

何かを個人で作るのは大変で、組織化、機械化すればするほど効率良く出来上がるものだと思います。zineと言うのは制作するにあたりこれほど効率の悪いものはないなと思う表現媒体の一つだと思います。図像、テキストを考え、レイアウト、校正、試し刷り、場合によっては製本まで行い、100部作ったら腰が壊れて病院通いトライアスロンじみた過酷さがあり、しかも売れる見込みは不透明もう餅は餅屋や!と言うことで「出版社の方ありがとう」とパチパチ手を打ったりするのですが、しかしながら伝えると言うことにおいてここまで特化した表現もないわけで、当時考えていた思考、空間の色味、素材を通して伝わる作者のこだわりなどなど、結晶化した情報は重厚さを湛え、わたしたちが存在する時代のみならず何世代先の未来をも貫く多次元に広がりがある物体を作り出せることができ、未来人の脳内に自らの考えを解凍、展開することで奴らを戦慄させることができるのです!実際、自分も過去から送られてきたメッセージで何度心に大怪我をしてかさぶたを作ったかわかりません。そんなものが紙とインクと印刷、いやガリ版、いや石と鋭利なものも含めたZINEと言う形でできてしまうと言うのは、自分の寿命や身体的な限界に抵抗する手段だと思います。それが自分でできるというのはいいことだと思います。

CTLXYの妖精構造調整政策

  • 規格

    A5

  • 頁数

    32P

  • 製本

    糸ミシン角背上製本

  • 糸色

  • 印刷

    オンデマンド印刷

  • 表紙

    アラベールホワイト130kg+PP加工(艶あり)

  • 本文

    上質90kg

  • 見返し

    上質90kg

POINT

表紙は艶のあるPP加工を選択。
ctlxyさんの持ち味である刺激的な色彩の世界観をさらに際立たせる光沢感を出すことができました。

PROFILEctlxy

1991年生まれ
児戯・放蕩・散歩のことを考えながら3DCGを用いて絵を描く